農業者年金基金業務の円滑な推進を図るため、農業委員会担当職員・関係農業団体職員に対する研修会の開催、参考資料の配付などの支援・協力指導を行います。
また、市町村農業委員会や関係機関・団体と連携した強力な加入推進活動の実施や、年金受給に向けた相談活動を行うための巡回指導を行います。
農業者年金が、なぜ必要か?
「夫婦2人の老後生活に必要な平均的な家計費は、現金支出で月額23万円です。」
農業者で世帯主が65歳以上の夫婦2人の生活費は、ライフスタイル、家族構成、資産の保有状況などによって異なりますが、平均的な家計費は、現金支出で月額23万円、年額272万円となっています。 (農業経営動向統計:農水省調べ)
65歳の方は、平均的にみた場合、男性では約18年間(83歳まで)、女性では約23年間(88歳まで)の老後生活を送ることとなります。その間の生活資金を準備する必要があります。
国民年金から支給される老齢基礎年金額をご存知ですか?
保険料を毎月欠かさず納めて、65歳から受給できる老齢基礎年金の額は、
年額 79万2千円(1人) 158万4千円(夫婦)
月額 6万6千円(1人) 13万2千円(夫婦)
(保険料の未納があった場合は、その分減額されます。)
老後の生活を賄うための蓄えは大丈夫ですか?
平均的な毎月の生活費として、夫婦で23万円が必要になりますが、このうち、13万2千円を国民年金で賄うとして、残りの約10万円をどのように準備するのかが課題となります。
そこで「農業者のための年金」を活用しませんか!
農業者年金は、国民年金の第1号被保険者である農業者の皆様がより豊かな老後生活を過ごすことが出来るよう国民年金(基礎年金)に上乗せした任意加入の公的な年金制度です。日本農業の担い手である農業者の方々の、老後生活の安定を図ることなどを目的とした、農業者だけが加入できる「農業者のための年金」です。
農業者年金の特徴
農業従事者なら誰でも加入できます。
60歳未満の国民年金の第一号被保険者であって、年間60日以上農業に従事するものであれば誰でも加入できます。
農業者年金への加入資格
1: 年間60日以上農業に従事
2: 保険料の免除を受けていない国民年金の第1号被保険者
3: 60歳未満
農業経営者だけでなく、農地を持っていない農業者や配偶者・後継者などの家族農業従事者も加入が可能です。
農業経営者だけでなく、農地を持っていない農業者や配偶者・後継者などの家族農業従事者も加入が可能です。
自ら納めた保険料と運用収入を将来受給する年金の原資として積み立てていき、この年金原資の額に応じて年金額が決まる積立方式(確定拠出型)の年金です。
保険料の資産運用は農業者年金基金が一元的に行っており、国内債券を中心に複数の資産への分散投資を行うなど安全で効率的な運用を行っています。
積立方式で年金額は加入者・受給者数に左右されない、少子高齢時代に強い制度です。
加入者・受給者の数に左右されにくい安定した年金制度で、運用利回りの状況などで保険料が引き上げられることもありません。
保険料の手厚い国庫助成があります。
認定農業者など一定の要件を備えた農業の担い手の方は、保険料(月額2万円)の2割、3割又は5割の政策支援(保険料の国庫補助)を受けることができます。政策年金ならではの農業の担い手の皆様への特別な支援です。
政策支援は次の3つの要件を満たす方が受けられます。
1: 60歳までに保険料納付期間が20年以上見込まれる方
2: 必要経費などを控除した後の農業所得が900万円以下である方
3: 下表の区分1~5のいずれかに該当する方
区分 | 必要な要件 | 国庫補助額 | |
---|---|---|---|
35歳未満 | 35歳以上 | ||
1 | 認定農業者で青色申告者 | 10,000円(5割) |
6,000円(3割) |
2 | 認定就農者で青色申告者 | 10,000円(5割) | 6,000円(3割) |
3 | 区分1または2の者と家族経営協定を締結し経営に参画している配偶者または後継者 | 10,000円(5割) | 6,000円(3割) |
4 | 認定農業者または青色申告者のいずれか一方を満たす者で 、3年以内に両方を満たすことを約束した者 | 6,000円(3割) | 4,000円(2割) |
5 | 35歳まで(25歳未満の場合は10年以内)に 区分1の者となることを約束した後継者 |
6,000円(3割) | - |
※ 補助期間は、35歳未満の加入期間はすべて、35歳以上の加入期間のうち10年以内であり、通算では20年以内 です。
※ 補助部分は、特例付加年金として、将来農業経営からリタイアしたときに支給します。なお、特例付加年金を受給するためには、農地等の経営継承が必要です。ただし、経営継承の時期の年齢制限はありません。
保険料の額は自由に決められます。
自分が必要とする年金額の目標に向けて、月額2万円から6万7千円までご自身のライフプランに合わせて保険料を自由に選択できます。また、金額はいつでも見直すことができます。
税制面でも大きな優遇があります。
支払った保険料の全額(最大80万4千円)が社会保険料控除の対象となり、所得税・住民税の節税につながります。また、保険料などの年金資産の運用益も非課税です。支払われる年金にも公的年金控除が適応されます。
80歳までの保証がついた終身年金です。
年金は生涯支給されます。仮に加入者や受給者が80歳になる前に亡くなった場合でも、80歳までに受け取れるはずであった農業者老齢年金の現在価値に相当する額が、死亡一時金として遺族に支給されます。
給付の種類
1)農業者老齢年金
- ご自分で納めた保険料とその運用収入を基に支給される年金です。
- 65歳から、生涯にわたって支給されます。
- 60歳まで支給の開始を早めることができますが、その場合、受給期間が長くなるため年金額はその分少なくなります。
2)特例付加年金
- 政策支援加入をした期間の国庫補助額とその運用収入を基に、支給される年金です。
- 65歳に達し、農業を営む者でなくなったときから、生涯にわたって支給されます。
- 農業を営む者でなくなった人は、60歳まで支給の開始を早めることができますが、その場合、受給期間が長くなるため年金額はその分少なくなります。
3)死亡一時金
- ご自分で納めた保険料とその運用収入を基に、80歳前に死亡した場合に、亡くなられた方のご遺族に支給します。
- 死亡一時金の金額は、死亡した方に、農業者老齢年金をその死亡した月の翌月から、80歳に達するまで支給する場合の支給総額の現在の価値に相当する金額になります。
詳細について
農業者年金についての詳細は独立行政法人 農業者年金基金のページをご覧下さい。