明日香村安部山の集落営農組織「えいのうキトラ」(山本雅義会長)では、遊休農地(約20アール)を活用した”大和トウキ”の栽培に取り組んでいる。
同地域では、農業従事者の高齢化・担い手不足等により、農地の荒廃が課題となるなかで”集落の農地は自分たちで守ろう”と同組合を平成17年に19名で発足した。
水稲・大豆の生産を中心にスタートし、昨年度から漢方薬の原料となる薬草で、本県も古くからの産地である大和トウキ(セリ科の植物)の栽培(4アール)に取り組む。
今年度は、栽培面積を20アール(約2000本)に拡大。12月の収穫には、約200キロの収穫があり、3月までに乾燥・洗浄し、生薬の卸会社に出荷する予定だ。
さらに、収穫前に開花して捨てられてしまうトウキを活用し、入浴剤としての商品化にも現在取り組んでいる。遊休農地を活用した取り組みがきっかけとなり、地域農業の活性化にも期待されている。
山本会長は「大和トウキは栽培に手間がかかる分、市価は安定している。今後も遊休農地を活用し、栽培面積を増やせるよう集落営農の活動を取り組んでいきたい」と遊休農地解消に積極的だ。
平成22年2月1週号 全国農業新聞掲載