2016年12月1日に、農業委員14名、農地利用最適化推進委員11名で新体制に移行した橿原市農業委員会(上田逸朗会長)は、耕作放棄地対策に力を入れている。
新体制への移行に際し、事前準備として市内の1064haの農地を約100haごとに、11のエリアに分けた。各エリアの中から推進委員を選出し、農業委員にも地区別の担当を決め、2人1組となって互いに協力し合う体制を作った。担当地区を一緒に回ることで情報を共有することが目的だ。
近年は解消を進める一方で、新たな耕作放棄地も発生しているため、平地部については農地中間管理機構へ繋げて利用を促す。また、耕作放棄地の1/3が山林にある同市は、山間部にある再生利用が困難な農地については非農地判断を行って改善を図る意向だ。
また、農地の利用を促進していくために、県外在住の地権者には中間管理事業の周知・案内を行っている。
水稲栽培が盛んな同市は耕作放棄地解消活動として米を栽培し、米粉に加工してパンを製造するよう市内のパン製造業者に依頼。橿原神宮の新嘗祭と合同で行われる市の農業祭において、会長自ら来場者に配布するなど、その成果をPRしている。
「新体制移行後初の農地パトロールを目前に控え、今回が農業委員と農地利用最適化推進委員が連携する第一歩となります。今年度は、中間機構との連携を密にしていくことで耕作放棄地の解消を更に推し進めるとともに、担い手へ農地を繋ぎ、農地利用最適化に向けて取り組んでいきたい」。と宮橋真二事務局長は語る。