鹿害対策の継続・支援訴え~奈良市農委会が市長に意見書~(奈良市農業委員会)

仲川市長(左から3人目)に意見書を提出した農業委員会の委員代表者(市長の左が巽会長)

 奈良市農業委員会(巽一孝会長)は、地域の農業者や市民に対して2023年度に実施した農業・農産物に関するアンケートの結果などを基に取りまとめた「農地等利用最適化推進施策に関する意見書」を仲川げん奈良市長に提出した。
 奈良市の農業にとって重要な最優先課題である鹿害については、防止柵の設置補助や捕獲に関する支援などさまざまな対策を行ってきたものの、個体数の増加により、被害が年々深刻となっている。
 この状況を解決するためには個体数を減らさなければならないと考え、今回の意見書では、対策として鹿を含めた有害鳥獣捕獲に対する支援の継続・拡充を市長に訴えた。
 他には、担い手の確保・育成支援や「地域計画」における目標地図の素案作成に向けた協力、遊休農地発生防止・解消対策や、社会情勢や異常気象による影響を受けた農業者に対する支援など、農業施策や農業委員会業務の強化を図るための支援を求めた。
 巽会長は「今後の農業を活性化するためには、市だけでなく、国・県と連携を図ることが必要。特に鳥獣害対策を今まで以上に力を入れなければならない」と話した。

(全国農業新聞 令和6年11月1日号掲載)