黒滝白キュウリの栽培を奨励し、農地活用を促す(黒滝村農業委員会)
黒滝村農業委員会(上北康雄会長)は、村の伝統野菜「黒滝白キュウリ」の栽培を地元農家などに普及する活動に取り組んでいる。
黒滝白キュウリは、果実全体が白く、えぐみのないコリコリした食感が特長で、古くから漬け物などにして親しまれている。江戸時代から栽培されていたとされ、現在まで種子を受け継いで栽培し、2014年12月に奈良県より大和の伝統野菜に認定された。
2016年は、地元農家や村内小学校などに約1100株の苗が無償で配布され、村民が一丸となって栽培に取り組んでいる。農業委員会は、栽培の呼びかけを行うほか、上東正明さん(79)ら農業委員4人が自ら栽培しており、作付面積のさらなる拡大を目指している。
上北会長は、「地元の伝統野菜を広く伝えられるよう今後は加工・販売などにも協力し、村内農業の活性化につなげていきたい。」と意気込む。
農業委員会ではこのほか、同村赤滝の遊休農地約1eを活用し、サツマイモを7月に植え付けた。地元の小学生などを対象に収穫体験を行い、農地の大切さを伝える予定で、サツマイモの一部は、今後設立予定の地元の加工組合で「ベジパウダー」などに加工し、販売するという。
上北会長は、「農地の活用に率先して取り組み、遊休農地の発生を食い止めていきたい」と抱負を語る。
黒滝白キュウリを育てる集落支援員の樋口源一さん |
平成28年9月2日(全国農業新聞掲載)